逮捕例も!スカウト行為に関わる3つの法律
繁華街といえば、以前は至るところにスカウトマンが立っていて、女性1人で歩いていると何人ものスカウトマンが次々と声をかけるということが少なくありませんでした。
しかし、現在はスカウトを取り締まる規制が強化されているエリアも多く、路上に立つスカウトマンは減少傾向にあります。
違反行為で逮捕されている実例も多くあるため、スカウトを始める際は法律について理解しておきましょう。
各都道府県の迷惑条例
路上スカウトが取り締まられるのは多くの場合、各都道府県の迷惑防止条例違反です。
違反した場合、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。さらに違反行為が常習的であると判断されれば、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されることとなる、厳しい法律です。
違反とされる具体的な内容は、以下の通りです。
- 路上で不特定の者に声をかけ、キャバクラ・風俗・AVなどに勧誘すること
- 路上での付きまといや、通行人の道を塞ぐこと
- 強引な客引きをすること
キャバクラや風俗系のスカウトだけでなく、居酒屋やカラオケのキャッチなども含まれます。
職業安定法
職業安定法は職安法とも呼ばれる、有害業務にあたる職業に紹介することや募集することを禁止する法律です。
迷惑防止条例違反との違いは、SNSやネット上での紹介であっても処罰の対象になる点です。
違反すると、1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金と、重い罰が課せられます。
有害業務とは、セクキャバや風俗店全般・AVやアダルトライブチャットなどへの出演を指します。現状ではキャバクラ・ホストといった水商売は、有害業務と認定されていません。
ただし今後の判例で、水商売も有害業務として認定されるケースがある可能性はゼロではないため、同業者からの情報収集は欠かさないようにしましょう。
組織犯罪処罰法
組織犯罪処罰法は、犯罪収益を受け取る行為(犯罪収益等収受)を取り締まるものです。
基本的にスカウトマンの逮捕事例は、「迷惑防止条例」か「職業安定法」の違反によるもので、スカウトした女性をキャバクラに紹介するだけでは組織犯罪処罰法には違反しませんが、例外もあります。
2021年6月、女性を風俗店に紹介したスカウトマンが風俗店舗から紹介料を受け取ったことで、組織犯罪処罰法違反として罰せられました。紹介した風俗店が売春防止法違反であったため、その風俗店の売上=犯罪収益とみなされ、売上から紹介料を受け取った行為が犯罪収益等収受にあたるのです。
また、風営法違反や無許可営業で水商売の経営陣が逮捕される場合、多くは組織犯罪処罰法が適用されます。
違法ではなく合法的にスカウトするためには
ここまで、スカウトマンが注意すべき法律を解説してきました。
実際にスカウトをするとなると、逮捕されるのでは…と不安になりますよね。
前提として、路上でのスカウト行為は迷惑防止条例違反にあたるため控えましょう。路上で声をかけるナンパであれば現状逮捕されることはありませんが、勧誘行為があればスカウトとみなされ、逮捕されます。
法律に反する部分を理解し、違反となる例を避けることができれば、スカウト行為を合法的に行うことができます。
以下で、合法的にスカウトするための方法を紹介します。
有料職業紹介事業許可を得た会社を通す
厚生労働省による優良職業紹介事業許可を得ていれば、合法での店舗紹介が可能です。
ただし、個人で優良職業紹介事業許可を取得するのは、資本金500万円以上が必要になるなど難易度が高く、おすすめできません。
すでに許可を得ている仲介会社と提携することで、合法的にスカウト行為ができるでしょう。
SNSを駆使したネットスカウトマン【注意点あり】
仲介会社と提携せずにスカウトを行う場合、ネット上のみの活動に絞るとよいでしょう。
路上スカウトで迷惑防止条例違反になることを避けられます。また、扱う業種をキャバクラやガールズバーなどに限定すれば、現状職業安定法に触れることもありません。
ただし、SNSやネット上であっても、風俗やAVに勧誘するのは職業安定法違反となるので注意が必要です。
実際にTwitterを介した風俗やAVへのスカウトでの逮捕事例はいくつもあります。
安全かつ合法的にスカウトを行うためには、水商売に限定して活動するのがベストと言えるでしょう。